“20代の保険って・・・” 漠然とした不安で保険に入っていませんか?
最近ぼんやりテレビを見ていたら、アイドル対ロボットアームの将棋対局にからませて20歳代の生命保険の必要性を訴える内容のCMがあったので、少々びっくりしました。
まずアイドル、「先手、病気の際の入院費~」。ロボットアームは入院保障のコマで応戦。その後(実際にはプロに勝っている)ロボットアームが、アイドルが次々にくりだす食費や光熱費などの手で打ち負かされていきます。従来型の入院保障だけでは20代のリスクをカバーしきれないと言いたいようです。
ご覧になった方も多いと思いますが、これを見ていると、「よくわからないけど何もしないのはよくないのではないか」と不安を感じさせます。いや、よくできています。さすが(笑)。
4月からスタートしたこのCM、まだ右も左もよくわかっていない新入社員に向けて、でしょうか。なんてエラそうに言っている私も30年前、“給料の1割が保険料”とだけ考えて“セイホのおばちゃん“の言われるままに保険に加入したのですが。
商品内容を少し詳しく見てみましょう。
例えば25歳の男性が加入すると、毎月の保険料は1万1,107円。これを10年間払い込むと、35歳まで合計133万円ほど払います。(\11,107×12カ月×10年 = \1,332,840)
これに対して保障内容は、
・病気・ケガで入院 1日目~60日目 日額1万円 最大 60万円 ・“所定の生活習慣病”で入院した場合 上記が2倍となり 120万円 ・手術について 入院中の手術20万円、外来手術5万円 計25万円 ・死亡・高度障害などの保障 所定のガン、心筋梗塞、脳卒中、所定の要介護状態、所定の高度障害状態で最大一時金 で2,101万円 死亡も同じ 2,101万円 |
具体的には例えば、盲腸なんかで入院して1週間入院したら27万円くらい出ます。でもあくまで133万円払ううちの27万円です。“所定の生活習慣病”になって60日間入院すれば、ようやく120万円支給されます。一番“お得”なのは“所定の高度障害”になるか死亡すると2,100万円ほど出ますが、今度は独身だとムダ、逆に家族がいればこれでは恐らく到底不足です。
そもそも20代、月1万円なら保険料よりスポーツジムなど、健康増進に使った方がよいと考えますが、いかがでしょうか。
「保険は不幸の宝くじ」、なんていう言い方があります。そもそもライフプランがあって、金銭的不足を補うために保険が必要になるのです。20代の保険のお話をしましたが、本当に保険が必要か、どんな保険がいくら必要か、一人一人違うはずです。漠然とした不安で保険に入っていませんか。ライフプランをつくると、不安の正体がはっきりして数字で把握できるようになります。
皆様、保険に加入されるときは必ず担当FPに相談なさってくださいね。
城戸FP事務所 城戸 祐治