世界の潮流が変わる、 日本の骨組みも大きく変わる
2017年9月12日の日経電子版の記事によると、『国連安全保障理事会は11日夕(日本時間12日朝)、北朝鮮への追加制裁決議を全会一致で採択し、原油輸出に現状維持の上限を設けた。採決前夜まで続けた交渉で中ロの合意を取り付け、結束を優先した。追加制裁で北朝鮮への石油関連製品の輸出を3割削減するほか、繊維製品の輸入禁止で、従来の制裁と合わせて北朝鮮からの輸出の9割強を断つ」とのこと。
翌日、安倍晋三首相は、日本経済新聞のインタビューに応じ、今後の社会保障政策についてこれまでの高齢者中心から「全世代型」に見直す意向を表明した。そのための施策として幼児教育の無償化などを挙げ、財源として教育に使途を限定して国債を発行する「教育国債」も検討する考えを強調。
首相はデフレ脱却の目安について「物価目標が2%を超えて日銀が安定的に推移していくという確信を持った段階になることが大切だ」とし、現在の2%という物価目標を堅持する考えを示した。
核・ミサイル開発を進める北朝鮮情勢では、北朝鮮が核開発プログラムを放棄することが対話の条件だとの見解を示した。
また金融庁に関しては、「10月から、仮想通貨取引所の監視に乗り出す。司令塔となる『仮想通貨モニタリング長』ポストを設け30人規模の専門チームを設置し、現在、登録業者の審査を進めている。仮想通貨の会計ルールをめぐる議論も並行して進む。仮想通貨の仕組みを使って資金調達するICO(イニシャル・コイン・オファリング)への対応なども含め、急速に広がる仮想通貨市場の監視と育成の両立をめざす」といったニュースも発表された。
一方ドイツでは、フランクフルト国際自動車ショーが12日開幕。欧州最大手、独フォルクスワーゲン(VW)は約300ある全車種に電気自動車(EV)かハイブリッド車(HV)のモデルをそろえることを表明した。ガソリン・ディーゼル車禁止の方針を打ち出す国が増えるなか、EVが主役になる時代の到来を印象づけた。
北朝鮮制裁に対し、中ロを含めた全会一致での制裁決議はアメリカの保護主義に始まった世界の不安な動きに一石を投じ、全世界が歩調を合わせることも決して不可能ではないということを証明した。同時に各自動車メーカーのEV化は中国も巻き込み世界の環境問題の統一へ大きく前進した。そして高齢化社会の第一人者である日本は、高齢者優遇の政策から思い切りハンドルを切り直す方向に進もうとしている。
我々ファイナンシャルプランナーに課されたミッションは、お客様の資産を守り続ける事に尽きる。そのためには、よりグローバルな視点で変化する環境を捉えることが必要だ。ファイナンシャルプランナーの真の実力が問われる時代が訪れている。 井上 昇( ㈱VLIP 代表取締役、CFP® )