タイトル: JPX400に注目
新しい株価指数「JPX日経インデックス400」が14年1月6日から発表された。初指数は11,728ポイント。
従来の日経225やTOPIXとは別に、その設定の目的がグローバルの中で強靭な証券市場を構築しようと創設されただけに、優良銘柄が選ばれることに注目したい。
1. 銘柄の選択範囲
東証1部・2部・マザーズ・ジャスダックの中から400銘柄を選定し、時価総額加重平均で計算される。指数は2013年8月30日を10,000とする。
2. 選定の基準
1) 過去3年間の売買代金、時価総額から1,000銘柄を候補として選定
2) 3年間の平均ROE(4)、営業利益(4)、時価総額(2)の3つを
( )内比率でウェイト付け
3) 社外取締役や英文決算資料があれば加点
4) 上場後3年未満の銘柄や、赤字・債務超過企業は除外
5) 銘柄の入れ替えは毎年8月末
3. 効果
選定にはROE(自己資本比率*)と営業利益が重要視される。
その結果JPX400のROEは11%となり、東証全銘柄の約6%と比較して高くなった。ROEを重視する欧米の15%に比較して、これまで劣性感のあった日本市場の評価向上となりそうだ。
約120兆円の年金資金を運用する「年金積立金感知運用独立行政法人」(GPIF)はこれまで国内株式投資の大半をTOPIXに連動するように運用してきたが、この内一部をJPX400に連動させるつもりだ。
* 自己資本比率(ROE)=一株当たり利益(EPS)÷一株当たり純資産(BPS)
4. 日経225にあって400には選定されない銘柄
日経225の中で73銘柄が400では不採用になった。有名ブランドではサッポロ、マツダ、日本製紙、住友化学(日経連代表会社)、大和証券、任天堂、電力各社など。
特にパナソニックは2期続けて赤字が出ていることが不採用理由になっている。
5. 今後の見通し
400に選定されるということは優良企業として選定されるので株価上昇が期待される。東京証券取引所と大阪証券取引所を合体させ、世界に通用する取引所の競争力を強化する。これからはJPX400に関心を持つ必要がある。
株式会社コバヤシアセットマネージメント
小林 治行(CFP,1級FP技能士)