波乱のときこそゆったり構えた資産形成を
8月から9月にかけて、日本の株式市場は6日連続で日経平均が2,800円も下がったと思えば、1日で1,300円も上がるなど大きく変動し、世界的にも株式・為替ともに荒い動きとなりました。相場に翻弄された方もいらっしゃったことでしょう。
心配しなくても暴落や急騰は相場の常であります。問題はそれがいつ起きるかわからないということ。
資産運用にはリスクがつきものですが、リスクを小さくするには3つの方法があります。
①資産分散 ②時間分散 ③長期投資
①の資産分散はもう説明不要だと思いますが、資産を一つにまとめずに「日本株式」「日本債券」「外国株式」「外国債券」などいくつかの資産に分けるということです。
②の時間分散は、一度にまとめて購入するのではなく、時間(タイミング)を分けて購入していきましょうということ。ドル・コスト平均法(※1)が代表例ですが、これはリスクを小さくするということ以上に購入をルール化してしまうことに意味があります。
人間は感情の生き物です。上がっているときにはもっと上がると思って買いたくなり、下がっているときにはもっと下がるのではないかと思って怖くなって売りたくなります。本当は、「安いときに買って高いときに売る」のがいいと頭ではわかっているのに・・・「欲」と「恐怖」の感情に負けてしまうのです。その感情に左右されることなく購入していけるのが最大のメリットと言えるでしょう。
③の長期投資は言うまでもないですね。短期間でみると大きな変動でも、長期間でみるとなだらかな動きであったということが少なくありません。最低でも10年間は見ておきたいところです。
そして、実は、もう一つ大事なことがあります。
それは、資産分散・時間分散・長期投資の3つを同時に行っていくということです。資産を分けて、時間(タイミング)を分けて、長期で投資をしていくこと。これが何より大切なあなたの資産を守りつつパフォーマンスを上げていく味方となってくれることでしょう。
相場がいいときも浮かれることなく、悪いときも慌てることなく、淡々と粛々と続けていける仕組みを作り、どのような相場のときでも悠々と資産形成をしていきたいものでありますね。
FPオフィス道~michi~
竹内 道子
(※1)ドル・コスト平均法
値動きのあるものを一定期間ごとに一定金額ずつ購入していく方法。価格が安いときにはたくさん買って、高いときにはあまり買わない、という買い方ができることにより、結果として購入単価を低く抑える可能性があります。