3月号は小屋洋一さんです

   「相続対策」よりも【長生き対策】 

昨年英国で出版されて、日本でも話題になった『ライフ・シフト』という本を読みました。本の中では、今後ますます長寿化が進む中で人生平均100年時代が到来するという前提で話が展開されていきます。

私は仕事柄、リタイアした方々の資産運用の相談を受けることが多いのですが、「どの程度の年齢まで生きる前提で生活設計をしておいたら良いですか?」と質問された際には、これまでは「男性であれば90歳、女性であれば100歳程度の生活設計を検討してください」とお答えしていました。

しかし、この本によると【平均100歳】時代がもうすぐ来るというではありませんか。【平均100歳】ということは、実際に半分の方が100歳以上の年齢に達するということになります。すると今後のリタイアメントにおいては110歳程度まで生きることを前提に生活設計を組み立てていかなければならなくなりそうです。

こうなると、現在リタイアメントを考えている世代( 60代)では次のようなことを想定しておくべきでしょう。

60代でリタイアするのではなく、健康であれば70代、80代でも積極的に社会にかかわり働く必要がある

◯しかし、嫌いな仕事では長く働けないので、自分の好きな分野で人と社会の役に立つ活動を行って収入を得ていく必要がある

◯(特に日本人は)保有している不動産や金融資産について活用していく必要がある

◯110歳程度の寿命を前提にリタイアメント資金の計画を設計する必要がある

どうでしょうか?皆さんの考えておられたリタイアメントの常識が大きく変化す

る時代がやってきそうです。

ご自身が110歳まで長生きすることを想定して、いかに残された【長い】時間を過ごすのか、ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか?

これからの長寿化社会では、国の用意している社会保障制度だけでは行き届かなくなることが容易に想像されます。まずは「健康で長く働けること」、「保有している資産を活用すること」などをFPに相談して解決策を探るところから始めていただくと良いと思います。

これからの時代は相続対策よりも皆さん自身の長生き対策の方がずっと大切なテーマとしてあがってくるような気がします。 

株式会社マネーライフプランニング 小屋 洋一

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