2016年4月号は城戸祐治さんです

住宅はいつでも買い時 住宅業者、金融機関に惑わされるな!

 

 2月に日銀がいわゆる“マイナス金利”を導入して以来、ただでさえ低い住宅ローンの金利がさらに低くなり、金融機関は低金利であることや他の付加価値を大々的に宣伝しています。一方今のところ来年の4月に予定されている消費増税の前に、不動産業者も「家は値上がりする前に!」とこちらも宣伝に余念がありません。

しかし果たして本当に“買い時”なのでしょうか?

 かつて金融機関にとって住宅ローンは儲かる商品でした。ところがここ2~3年、貸出金利が1%ぐらいになってからは儲からない商品になりつつあります。金融機関の考え方にもよりますが、不採算の商品をいつまでも売る商売はありません。むしろこれから先、金利が上昇するとなった時に、これ幸いとこれまでの損を取り返すべく一気に金利を上げることだって十分考えられることは、銀行OBとして申し上げておきます(変動金利型を選択した場合には特に注意しておきましょう)。

 不動産はどうでしょうか?増税後、新築物件の売り上げは減少が見込まれています。どんな商売でも、売れなければ値下げしないと売れなくなります。しかもこの場合、値下げ幅は「1割ぐらいは当然」と不動産業者は口を揃えます。よって一部の人気物件と、実家の隣地が空いたなどの特別なケースを除いて、慌てて買う必要は全くないと断言できます。

 住宅購入は人生最大の買い物と言われます。購入にあたっての留意点は、

1)生活の場所を決める (住むのは家ですが生活するのは地域です。従って戸建てを考えるのに真っ先に住宅展示場へ行くのは個人的には大反対です。)

2)戸建てかマンションか (それぞれにメリットデメリットあり。)

3)必要資金の算定と調達方法 (親の援助の受け方、住宅ローン借入先、住宅ローン特別控除の影響、公的給付金受給の可否など。)

4)子供の将来の教育費、自分たちの老後の資金の検討 (その時になって慌てないようにきちんと考えておきましょう。)

などなどなど、考えておかなければならないことは多岐多様です。

ほとんどの方は毎月毎月返済日がくる住宅ローンに長期に渡って向き合います。ということはきちんと長期的な観点に立って、よくよくよく考えて購入した方が後々のためです。その際にはくれぐれも、(自分たちの成績がかかっているから)一生懸命やってくれる(に決まっている)不動産や住宅の業者や金融機関の担当者に任せるのではなく、皆様の立場に立って一緒に考えてくれるFPに相談すべきであることは言うまでもありません。そうすれば家はいつでも皆様の“買い時”なのです。

 

                                                城戸FP事務所 城戸 祐治

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