投資型商品運用のツボ

投資型商品運用のツボ

Q 資産の一部を外債で運用したいと思っています。投資する際のポイントを教えてください。
A 外債も利殖性商品の1つなので、余裕資金で投資することはいうまでもありません。また、外債は株式などと比べ複雑なリスクを持っているので注意が必要です。

発行体の信用リスクとカントリーリスクは、まとめて信用リスクともいわれ、投資金額が返ってくるかどうかの安全度を指しています。通常、債券の安全度は「格付け」で示されています。
この格付けは、購入時に証券会社で教えてくれるので必ずチェックが必要です。日本では「A」クラス以上のものがほとんどですが、96年からはBB格以下の投機的債券も販売されています。

円建て外債以外の外債には、必ず為替リスクがつきまといます。
購入時の為替レートより、償還時や売却時に円高になっていれば為替差損が発生します。もちろん円安になれば、その逆で為替差益を得られます。

さらに、為替手数料も考慮することが大切です。
TTSとTTBの差額が為替手数料となりますが、このレート分だけ利回りが下がることになります。

もし、償還時や売却時に運悪く円高になっていて、元本割れや思った収益が上げられない場合には外貨のまま保有しておく方法があります。外貨建てのMMFにシフトして円安になるまで待つことも可能です。

また、「価格変動リスク」にも要注意。外債も債券であるから償還まで保有していれば額面金額で戻ってきますが、償還前に現金化するときには売却しなければなりません。

売却はそのときの時価に基づいて行われるので、額面金額より高く売れたり額面金額以下の場合もあります。これが債券の価格変動リスクです。
債券の価格は金利の動きと密接に関係があります。
金利が上昇しているときもこは債券価格は下落し、反対に金利が低下しているときには債券価格は上昇することになります。
外債の場合には、日本の金利ではなく発行国の金利動向に運動して価格は上下することになります。
外債投資をするならば、本国の金利の現状と将来どうなっていくかということぐらいは把握しておく必要があります。
ポイント
● 外債投資をする資金は余裕資金で行うことが大切になる。また、発行体の信用リスク、 カントリーリスク、為替リスク、価格変動リスクがあるということ覚えておきたい。 
● 外債に振り分けられる資金は余裕資金でなければならない。 
● 償還時や売却時に円高となってている場合には、再度外債を買う、外貨建てMMFに預 けるなど外貨のまま保有する方法もある。 

 

金投資の狙いは?

Q 金投資を考えていますが、利息が無くても金を持つべきかどうか考えています。
A 金を資産ポートフォリオに加える意味は、金が歴史的にみて資産保全の働きをしてきたところにあります。
つまり、戦争、オイルショック、国際金融不安、悪性インフレなどのときに金価格は大きく上昇してきたわけで、このようなときに金を売却することにより、預貯金や債券の価値の目減り分、あるいは株式の値下がり分などをカバーすることができるためです。
このような有事に備えて、あるいは長期インフレに備えて金を保有していれば、金が財産を守るための保険商品となると考えられています。
しかし、金は保有しているだけでは利息もなく収益は生んでくれないので、資産全体に占める割合が大きくなりすぎると効率が悪くなります。
このため、欧米での古くからの経験則が教える、資産全体の5~10%を金で持つという考え方が1つの参考になります。
また、金は相場商品であるためあくまで余裕資金で行うようにしたいものです。
1度にまとめて購入すると価格リスクが大きくなるので、長期に渡って少しずつ購入していくなどして価格リスクを分散させることが大切です。
ポイント
● 金は相場商品であるため購入頻度を分け、価格リスクを分散させること。

 

投資信託の種類は?

Q 投資信託は種類が大変多いのですが、どのように分類したらよいのでしょうか。
A 投資信託(ファンド、投信)にはさまざまな種類があります。ファンドには、値下がりのリスクが少ない商品から、株式よりリスクの高い商品(ディバティブ=金融派生商品を利用)まで多数の商品があります。

投資リスクが小さく比較的安全性が高いのは、いわゆる「公社債投資信託(株式はいっさい組み入れられないファンド)」と呼ばれ、長期公社債投信やMMFなどが代表的です。これらの商品は元金がほぼ確保されるよう設計運用されています。

一方、公社債投資信託に対し、リスクが一段と高くなるのが(値上がり期待も大きくなる)「株式投資信託(株式の組み入れが可能なファンド)」です。また同様にリスクのあるタイプの投資信託として海外の債券、株式、通貨などに投資されるもの、あるいは国内の不動産(リート)、海外の不動産(海外リート)に投資される投資信託など実に多数の種類があります。

ところで、ファンドの分類方法としては、その募集方法の違いで「追加型」と「単位型」の2つに分けられています。

追加型投信はオープン型投信とも呼ばれ、あらかじめ信託財産の限度額を定め、それに達するまで追加募集する方法です。株式の値上がり益を積極的に追求する株式投信の多くはこの追加型です。

一方、単位型投信はユニット型投信とも呼ばれ、一回の設定ごとに独立した信託財産として運用し、その後の追加設定は行われません。

単位型はさらに、毎月1回募集する「定時定形型」と、株式や債券相場の動向をみて随時設定する「スポット型」の二種類に分けられます。

なお、単位型には「償還まで換金できないもの」、「購入後一定期間は換金できないもの」、「購入後いつでも換金できるもの」等、商品によってさまざまなので、購入する際にはこの点に注意が必要です。

また、途中換金する際、信託財産留保額(投信を解約する場合に不公平をなくすために信託財産に残しておく金額)が差し引かれる商品もあります。購入をする際には、そのファンドがどのタイプに該当するか、「受益証券説明書」または「目論見書」で確認しておくことが大切です。 

 

金の価格変動要因は?

Q 金は相場商品と聞きますが、どんなときに価格は変動するのですか?
A 金の価格は日々刻々と変わっていますが、その変動要因には多くの要素があり、その動きも一様ではありません。しかも、各々の要因が独立して作用するのではなく、互いに複雑に影響しあって金の価格に反映されています。

1通貨としての金・・・

金は通貨そのもの、あるいは通貨の価値の裏づけとして利用されてきた歴史的経緯があるため、現在でも金の価値は世界中で認められており、どこの国へ行ってもそのままで通用します。このため、世界的に政治・経済情勢が激動し通貨に対する信頼が薄れたとき、あるいはその信用度が低下したとき、金に対する需要が高まり金の価格は上昇してきました。

2国際商品としての金・・・

金は世界中で取引が行われている国際商品であるため、金価格を決定するのは1国における需給関係ではなく、世界全体における需給関係です。また日本で投資する場合には、金の国際価格は米ドル建てで表示されているため、金価格の変動以外に為替の影蟹を強く受けることを忘れてはなりません。海外市場でドル建ての金価格が変動しなくても、円高・ドル安になれば国内金価格は下落し、逆に円安・ドル高になれば国内金価格は上昇します。国内の金価格は、金価格の変動と為替の変動によって決まるのです。

3商品としての金・・・

商品としての金は、その需給関係が金価格の変動要因になります。他の商品と同様に、需要が供給を上回れば金価格は上昇し、逆に供給が需要を上回れば金価格は下落することになります。需要面の大きな特徴は、宝飾品需要の著しい伸びです。一方供給面では、新たに産出される金の生産コストが重要なポイントになっています。 
ポイント
● 冷戦似後の金価格は有事にあまり反応しなくなったので、需給関係に注目すべきである。

● 国内の金価格は為替の動向に大きく影響を受けるため、為替相場を常に見ておきたい。 
● 新聞や金の専門機関が出している資料などに目を通しておきたい 

 

外貨建て商品のリスクとは?

Q 外貨預金や外貨建て債券を始めてみようと思っていますが、どのようなリスクを考えておけばよいのですか?

 

A 外貨建て商品には国内商品に比べて付加されるリスクがあります。このため、投資する前には各商品がどんなリスクを持っているのか知っておく必要があります。 商品には株式のように価格変動するものあり、この場合はもちろん「価格変動リスク」を持ちますが、それ以外の外貨建て商品が持つリスクを以下に述べます。

1為替変動リスク・・・

外貨建て商品へ投資する場合には、必ず円を外貨に替えることになります。このため、円が購入時より外貨に対して高くなると為替差損が生じてしまいます。リスクを回避する方法としては、為替予約(外国為替市場で行われる先物取引)などがあります。

2金利変動リスク・・・

各国では、国内経済を適正化するために市場金利を操作しています。したがって、投資対象商品の金利もその国の情勢によって変化します。外貨預金の定期預金は固定金利商品なので預け入れたあとは市場金利の影響を受けませんが、外国債券を売却する場合には市場金利の動向にその価格は大きく左右されます。一般的に金利が上昇すれば債券価格は下落し、反対に金利が上昇すれば債券価格は上昇することになります。

3信用リスク・・・

外貨預金で外国銀行を利用する場合には、銀行が倒産することもありえるのでその銀行の信用度や経営状態を調べておく必要があります。さらに、外国債券などの場合には、対象となる企業の倒産や時価の下落の心配もあります。投資にあたっては、企業の国際的な格付け機関による格付けを参考にするのも1つの方法です。

4カントリーリスク・・・

投資する国の政治的、社会的信用度を指しています。つまり、社会情勢の不安定な国はカントリーリスクが高いということができます。 

 

ポイント
● 外貨建て商品への投資には、その商品によりいくつかのリスクがあるので投資する前に 確認しておく。

 

分散投資としての投資信託のメリツトは?

Q 投資信託は株式などを購入するよりリスクが少ないといわれますが、どうしてですか?
A 株式などの値動きのある相場商品に投資する場合には、最悪元本割れをするなどという損失を被るリスクが必ず伴います。

このリスクは、投資信託を運用する専門家といえども回避することはできません。
実際、投資対象や売買のタイミングなどについて、常に正しい選択を続けていくのは不可能です。
そこで少しでも証券投資の危険性を減らすために分散投資が行われます。
例えば、一方の値下がりを他方の値上がりでカバーすることができれば、特定の銘柄に集中投資した場合に比べて、リスクは格段に軽減されることになります。
分散投資の仕方には様々な方法があり、たとえば、証券別分散、業種別分散、銘柄別分散、時間別分散、国別分散、通貨別分散などがあります。
投資信託はこれらの分散方法を多種多様に組み合わせて、リスクを極力回避しつつ、より高い収益を追求を目指す商品なのです。

投資信託がリスクを完全に回避できるわけではありませんし、また投資信託の商品タイプによりハイリスクハイリターンのものからローリスクローリターンのものまで多種多様に分かれます。
ただ投資信託は分散投資をその基本としていますので、一般的にひとつ二つの株を買うよりリスクが低いといわれるわけです。
ポイント
● 投資信託の資金運用は分散投資が原則になっている。これはリスクを分散することによ って、元本の安全性と収益性の確保を図るために行われているためである。 
● 投資信託は分散投資が原則となっているが、すべての投資信信託のリスクは同じわけで はない。したがって、投資信託を選ぶときには目論見書・受益証券説明書を読みこなす ことが大切。 

 

株価の変動要因は?

Q 株式購入を考えていますが、毎日株価は大きく動きます。株価はどんな要因で変動するのですか?
A 株価の変動要因の基本は企業業績ですが、それ以外にも以下のような様々な要因によって変動しています。

1企業業績・・・

株価は企業の将来を映す鏡といわれています。このため、企業の業績が上がり増益であれば株価は上昇していくことになります。反対に、企業業績が低下して減益になれば、株価は下落します。

2金利・・・

低金利時には預貯金だけでは大きく増やせないため、多少リスクがあっても株式のほうが大きく増やせると投資家が考え、株式市場に資金が流入することから株価が上昇します。反対に高金利時にはリスクを取らなくてもお金を増やすことができるため、株式市場から資金が預貯金などへ流れることになり株価は下落していきます。

3景気・・・

景気が上昇しているときには企業も活発になり業績は増益となるため、株価は上昇していきます。反対に景気が低下しているときには、企業の活動も停滞し減益となるため株価は下落します。

4為替・・・

円高のときには電力株やガス株、内需関連株などの円高メリット株が上昇し円安メリット株が下落します。反対に円安のときには電気株や自動車株などの輸出関連株が上昇し、円高メリット株が下落します。

5需給関係・・・

年度の始めなどのように新規の資金が株式市場に流れ込むときには株価は上昇し、年度末などのように資金が株式市場から流失するときには株価は下落していきます。

6政治・・・

政局が不安定になると株価が下落します。特に外人投資家は政局の不安を嫌がる傾向にあります。

7新製品・新技術・・・

たとえば、ガンやエイズなどの画期的な特効薬ができれば、企業業績も大幅にアップすることになり株価が上昇することになります。

8思惑人気や仕手株・・・

企業の合併・買収などのM&A、大株主の異動、噂などによっても株価は大きく変動します。また、値幅稼ぎを狙ったプロの投資家集団(仕手)に取り上げられた銘柄は企業業績に関係なく株価が上昇することがあります。
ポイント
● 企業業績は会社四季報や日経会社情報などでチェックする。 
● 株価の変動要因は複合的に絡み合っているので、さまざまな角度から判断することがポイント 

 

為替の変動要因は?

Q 外貨建て商品に投資したいと考えていますが為替の動向が気になります。為替はどのような要因で動くのですか?
A 為替レートは市場参加者のそれぞれの思惑と需給バランスで成立しますが、変動するときには以下のような背景が挙げられます。

1貿易収支・・・

日本は輸出大国であるため、貿易収支の数字が為替相場に大きく影響を与えることになります。たとえば、貿易黒字が大きく増えれば増えるほど、受け取った外貨を円に替えようという動きも大きくなり、円を買う需要が高まり円が高くなり外貨が売られることになります。反対に貿易黒字が減少していけば、円を外貨に替える動きが小さくなり、円を買う需要が減少し円が安くなり外貨が高くなります。

2金利・・・

金利水準も為替レートに大きな影響を与えています。通常、預貯金を預ける場合には少しでも高い金融機関に預けたいと思うことは共通しています。たとえば、アメリカの金利水準が日本より高ければ、円を外貨に替えて預金や債券を購入するほうが国内で運用するより大きな利益が得られるとだれもが思います。そうすると、円売りドル買いの動きが大きくなり為替レートが変動することになります。反対に、日本国内の金利のほうが高ければ、海外に出ていたお金が国内に戻ってくるばかりか、外国から新規の資金が流入することになり、円買いドル売りという行動が起こります。

3政治的出来事・・・

為替は経済のファンダメンタルズに合わせて変動するのが常識ですが、政治的要因で動くことも意外と多いものです。たとえば、サミットやG7などでの国際的な合意事項が為替相場に影響を与えます。為替相場について具体的な方針が決定した場合だけでなく、各国が経済政策で強調することが確認されたときなども材料にされることがあります。また、アメリカ政府高官の発言や日本の大蔵大臣、日本銀行総裁、大蔵省の国際金融局長の発言なども注目されることがあります。

4有事・・・

東西の冷戦が終結してからは有事が減っていますが、やはり不測の事態が発生しそうと緊張感が高まるときなどには、基軸通貨である米ドルが買われることがあります。有事と言うと戦争などの争い事だけと思われますが、地震や噴火などの自然災害、要人の死亡、株価の暴落など様々なものがあり、どれも為替相場を大きく変動させることがあります。
ポイント
● 為替レートを予測するのは至難の業であるが、変動要因を見極めながら大まかなトレンドをつかんでおく。 
● 新聞などに載る専門家の為替相場の見通しなども参考にし役立てるとよい。 

 

外貨預金のメリット、デメリットは?

Q 外貨預金に預けたいと考えていますが、メリット、デメリットや注意点などを教えてください。
A 外貨建て商品として最も一般的なのが「外貨預金」。
なじみの深い米ドルをはじめ、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、等々、円をこれら外貨に換えて預ける外貨建ての預金です。 定期預金(1、2、3、6、12、24ヵ月など)のほか、普通預金、通知預金、当座預金の4種類があり、仕組みとしては日本国内の銀行で扱う預金と同じ。
ほとんどの金融機関で取り扱っていますが、預入通貨の種類、最低預入金額、金利等の条件は銀行ごとにかなり異なってきますので、預入れに際しては事前によく確認することが大切です。 

預入れに際しては、通常、円を外貨に換えて預け入れ、満期時には再び円に換えて引き出します。
したがって、預入時よりも満期時のほうが円安になっていれば為替差益が出て、より高い利回りになるし、逆に円高になっていれば為替差損が出て利回りは下がってしまいます。
円高に振れていれば、元本割れの可能性もあるわけですが、為替が変わらなくても元本割れしてしまうケースもあるので注意が必要です。 

その原因になっているのが為替交換に伴う手数料。
預入時(円→外貨)に適用される為替レートを「TTS(対顧客電信売相場)」、満期時(外貨→円)のレートを「TTB(対顧客電信買相場)」といいますが、この両者の間に一定の開きがあります。
例えば中値が120.00円の時、通常銀行の米ドルのレートは、TTS121.00円、TTB119.00円と1ドルにつき2円の開きがあります。これが為替手数料としてかかってくるのです。この手数料は通貨によって、また同じ通貨でも銀行によって異なります。 

ここで気をつけなければいけないのが、これを金額で見るのではなく、率で見る必要があるということ。
例えば、米ドルなら手数料の2円はTTSの121.00円に対して約1.65%(2円÷121.00円×100)に相当します。
つまり為替がまったく動かなかったとしても、元利合計に対してこの分だけ利回りがダウンしてしまうということです。しかもこれは1年定期だけではなく、6ヶ月にも3ヶ月にも同じように適用されますので、例えば5%の金利でも6ヶ月にもらえるのはその半分2.5%、そこから為替手数料分が引かれるわけです。
したがって、外貨預金を利用するときは表面的な利率ではなく、実質的な利回りでその収益性を判断しなければならないということを覚えておいてください。

 

分散投資ってなに?

Q リスクを回避するための分散投資とはどういうことで、どんな方法があるのでしょうか?
A 昔からよくいわれる「卵は1つの籠にすべてを入れるよりも多くの籠に分けて入れておくほうが安全である」というたとえがあります。
1つの籠を落としても、他の籠の卵までは割れないで済むということです。
リスク商品に投資する場合も、この卵と同じように分散させたほうが安全だというわけ。
これが分散投資です。
ポイントは大きく次の二つに集約できます。 
同じ投資金額であればそれを一つの商品に集中させるよりも、いくつかの商品に分散させたほうが、資金全体としての投資リスクを低く抑えることができる。 
分散投資でリスクを抑えるには、性格の異なった(値動きが異なる)商品や銘柄を組み合わせる。 
例えば株式投資をする場合、いくつかの銘柄に分散させたほうが全体としてのリスクを小さくできます。
というのは、株価の動きは銘柄によって異なるわけで、いくつかの銘柄に分散しておけば、仮にある銘柄が値下がりしたとしても、他の銘柄が値上がりしていればその損失をカバーすることができる可能性があるわけです。
つまり、保有銘柄全体の価格の変動が平均化されるということ。 
また、分散投資をするといっても、ただ単に投資商品を分ければよいというものではありません。
リスクを回避するためには、性格(値動き)の異なった商品を組み合わせなければ意味がないことを頭に入れておいてください。 

たとえば、外貨預金や外債など外貨建て商品に投資する場合。
これら商品は確定した利息収入があると同時に、円安になれば為替差益を期待することもできます。
しかし、円高になってしまえば為替差損を被るばかりか、元本割れさえもあります。
この為替リスクを軽減させるためには、例えば一つの通貨に投資するのではなく、値動きの異なる通貨(例えば、米ドルと独マルク・スイスフラン)に分散するとか、あるいは円高になれば収益が期待できる商品たとえば、円高・ドル安型のブル・ベア投信にも同時に投資すれば為替のリスクを相殺することもできます。 

このように分散投資には、同じ商品で銘柄を分散させる、商品自体を分散させる、投資する国を分散させるなど様々な方法があるのです。
ポイント
● 性格や値動きが異なる商品(銘柄)を組み合わせなければ、分散投資の効果を得ることはできない。

 

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